こんにちは。かばです。「わかりやすい放射線治療」にお越しいただきありがとうございます。
今回は、治療の目的によって大きく分けられる「治す治療」と「和らげる治療」の違い、つまり「根治療法」と「対症療法」についてお話しします。
結論
病気を治すことを目的とした「根治療法」と、症状を和らげることを目標とした「対症療法」に分けられます。
同じ病気や同じ部位でも、目的によって治療期間や放射線量が変わります。

「根治療法」とは?
読んで字のごとく、「病気を治すこと」を目指す治療です。
たとえばがんなら、「がん細胞を完全にやっつけて治す」ことを目指し、しっかりと放射線をあてます。
治療回数は多く、副作用が出ることもありますが、しっかり管理しながら進めます。
「対症療法」とは?
病気そのものを治すのではなく、症状を和らげることを目的とした治療です。
たとえば、がんが転移して痛みが出ているときや、腫瘍が大きくなって息苦しさがあるときは、「がんをゼロにする」よりも、痛みを軽くしたり、生活しやすくすることが第一になります。
治療期間や放射線量の違いは?
たとえば背骨(椎体)にがんがあった場合の例で考えてみます。
根治療法の場合
- 治療回数:約10回
- 治療期間:2週間ほど(土日祝除く毎日)
- 目的:がんをしっかり抑え、再発しにくくする
- 特徴:長期的な副作用が出ないように注意しながら治療する
対症療法の場合
- 治療回数:1回で終わることもある
- 治療期間:1日で終わるので、患者さんの負担が少ない
- 目的:痛みや神経症状をすぐに和らげる
- 特徴:がんを完全に治すには線量が足りない場合もあり、数年後に障害が出るリスクもあるが、今の症状を和らげることを重視する
どちらが良い・悪いじゃない
「対症療法って、もうあきらめるってことですか?」と聞かれることがありますが、決してそんなことはありません。
その人らしい生活を守るという意味で、対症療法はとても大切です。
どちらを選ぶか?
- 長く生きる見込みがあり、がんをしっかり抑えたい場合
→ 根治療法(10回ほどの治療)が推奨されます。長期的な副作用に注意しながら治療します。 - 今の症状を早く和らげたい場合や、長期的な見通しが厳しい場合
→ 対症療法(1回の治療)が選ばれることもあります。数年後に出るかもしれない障害よりも、今の症状を和らげることを優先します。

まとめ
- 根治療法:長期間かけてしっかり治療し、長期的な副作用に注意
- 対症療法:短時間で治療し、今の症状を和らげることを最優先
どちらの治療法が適しているかは、患者さんの状態やがんの性質によって異なります。主治医とよく相談して、最適な治療を選んでください。
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