「放射線治療の費用っていくらくらいかかるんだろう?」と不安に感じている方も多いはずです。数千円?数万円?それとも数十万円?毎回支払うのか、まとめて支払うのか、気になるポイントがたくさんありますよね。この記事を最後まで読めば、肺がんの放射線治療にかかる費用の目安や支払いの仕組み、例外ケースまでしっかり理解でき、治療費への不安が少しでも減るはずです。ぜひ最後までご覧ください。
結論
肺がんの放射線治療は、標準的な治療回数(30回程度)であれば、合計約80万円かかります。ただし、公的医療保険(健康保険)が適用されるため、自己負担はこの一部となります。さらに高額療養費制度も活用できますので、実際の負担はさらに抑えられます。

肺がんの放射線治療における標準的な条件
- 治療形態
- 肺がんの放射線治療は、入院の場合も外来の場合もあります。
- 治療回数
- 標準的な治療は30回程度が一般的です。ただし、患者さんの状態や治療方針によって回数やスケジュールが調整されることもあります。
標準的な支払いのタイミングと金額
- 外来の場合
- 多くの医療機関では、放射線治療の費用は「毎回の治療後」に支払うのが一般的です。
- 入院の場合
- 入院であれば、退院時に一括で支払うことが多いです。
外来で支払いの場合は下記のようになります。
- 初回
- 治療計画や準備のため、費用が少し高くなります(約8万円)。
- 2回目以降
- 通常の手技に対する費用となります(約2万円)。
- 標準的な回数(30回程度)の場合
- 合計約80万円が目安です。
- 病院によってできる放射線治療の手技や内容が異なるため、費用には若干の変動があります。

全額支払うの?
- 保険適用
- 上記の金額は健康保険適用前の総額です。公の医療保険(健康保険)が適用されるため、自己負担分だけ支払います(通常は3割負担、後期高齢者であれば1割や2割負担)。
- 高額療養費制度
- 高額療養費制度を利用すれば、自己負担額に上限が設けられます。
例外ケース
- 例外ケース1:呼吸への対策
- 肺がんは呼吸によって動きます。特に横隔膜近くは大きく動くため、呼吸に合わせて照射を行ったり、息を止めている間に照射する場合があります。この場合、毎回下記の料金が追加になります。
- 毎回追加料金:約1,500円
- 例外ケース2:1日2回照射(小細胞肺がん)
- 小細胞肺がんでは「1日2回(朝夕)」を30回(3週間)で治療することもあります。入院して行うことが多く、この照射方法は「加速過分割法」と呼ばれます。日数は短くなりますが、費用は前述と同程度で、約80万円が目安です。
- 例外ケース3:定位放射線治療
- 早期肺がんであれば、定位放射線治療という方法を用いることもあります。1日1回、4~10回程度で、少ない回数で高線量を照射する方法です。通院の負担が軽くなります。支払いは初回にまとめて行うことが一般的です。回数に関係なく、下記の費用になります。
- 呼吸性移動対策なし:合計約70万円
- 呼吸性移動対策あり:合計約80万円
- 早期肺がんであれば、定位放射線治療という方法を用いることもあります。1日1回、4~10回程度で、少ない回数で高線量を照射する方法です。通院の負担が軽くなります。支払いは初回にまとめて行うことが一般的です。回数に関係なく、下記の費用になります。
- 例外ケース4:強度変調放射線治療(IMRT)
- 通常の照射ではなく、より精密に肺がんに放射線を集中し、周辺の臓器(正常肺や脊髄など)への影響を減らす方法です。最近ではこの方法もよく用いられます。治療回数は標準的な方法と同じく30回程度です。
- 初回:約10万円
- 2回目以降:約4万円
- 35回治療の場合:合計約120万円
- 呼吸性移動対策が必要な場合は毎回+1,500円
- 通常の照射ではなく、より精密に肺がんに放射線を集中し、周辺の臓器(正常肺や脊髄など)への影響を減らす方法です。最近ではこの方法もよく用いられます。治療回数は標準的な方法と同じく30回程度です。
まとめ
- 肺がんの放射線治療は、外来または入院で行われることが多い。
- 標準的な治療(30回程度)では、合計約80万円(健康保険適用前)が目安。
- 健康保険が適用されるため、自己負担はこの一部(通常3割負担)。
- 高額療養費制度を利用すれば、自己負担額に上限が設けられる。
- 呼吸に合わせた照射や特別な照射など、例外ケースもあるので、必ず病院で確認してください。
- 治療内容や回数によって費用が異なる場合があるため、ご自身の治療計画で確認しましょう。
金額の記載は標準的な目安です。実際は病院や治療内容によって異なる場合がありますので、必ずご自身の治療計画でご確認ください。

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