放射線治療【脳腫瘍】における注意点

病気別の注意点

あなたは脳腫瘍の治療を受けることになり、不安や戸惑いを感じていませんか?
特に「脳に放射線を当てる」と聞くと、怖いと感じる方も多いでしょう。
この記事では、脳腫瘍の放射線治療の目的や実際の治療の流れ、治療中の注意点、そして起こりうる副作用について詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、少しでも安心して治療に臨めるヒントを見つけてください。


結論

脳腫瘍の放射線治療では、正常な脳組織への影響を最小限に抑えつつ、がん細胞を確実に狙うことが最も重要です。
治療の際には、シェルと呼ばれる患者専用の固定具を装着し、正確に照射できるようにします。

 

 


脳腫瘍における放射線治療の目的

脳腫瘍に対する放射線治療の主な目的は、手術で取りきれなかった目に見えないがん細胞を死滅させ、再発や再燃を防ぐことです。
特に悪性脳腫瘍では、手術で全ての病変を取り除くことが難しい場合が多く、術後に放射線治療を追加することで、その後の経過が改善することが知られています。
転移性脳腫瘍の場合も、脳全体や特定の病巣に放射線を照射し、腫瘍の進行や再発を抑えるために治療が行われます。



 


治療中の様子

頭部はよく動くため、毎回同じ頭の角度でないと正確に放射線が当たりません
そのため、治療計画CT撮影の段階で患者専用の固定具(シェル)を作成し、それを毎回使用することで、治療時も同じ姿勢を再現します。
シェルは、温めると柔らかくなり、常温で固まるプラスチックのような材質で、ぴったり、あるいは若干きつめに作られることが多いです。

患者さんによっては息苦しく感じることがあり、閉所恐怖症の方はシェルを被ることが苦痛に感じることもあります。
治療期間中の体重変化により、シェルがきつくなったり、ゆるくなったりすると、固定の精度に影響するので注意が必要です。
シェルがきつくなったり、ゆるくなった場合や、何か不安があれば、遠慮せずスタッフにご相談ください。
治療計画CTの流れや目的などについては、下記の記事もご参考にしてください。

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副作用について

脳腫瘍の放射線治療には、急性期の副作用晩期の副作用があります。

急性期の副作用(治療中~終了後3か月以内)

  • 脱毛:照射した部位の髪の毛が抜けます。放射線量が多い場合は永久脱毛になることもあります。

  • 頭痛、吐き気、嘔吐:治療中や直後に現れることがあり、多くは一時的です。

  • めまい、全身倦怠感:治療中やその後に感じることがあります。

  • 皮膚の赤みやかゆみ:照射部位の皮膚に炎症反応が出ることがあります。

晩期の副作用(治療終了後3か月以降)

  • 脳壊死:放射線治療後数か月~数年経って、照射部位の脳組織が壊死を起こすことがあります。頻度は低いですが、重篤な場合は治療が必要です。

  • 脳神経障害、高次機能障害:記憶力や注意力、判断力などの認知機能の低下が起こることがあります。

  • 視力・視覚障害:腫瘍の位置によっては視神経への影響が現れることがあります。



まとめ

  • 脳腫瘍の放射線治療は、手術後に残るがん細胞を死滅させ、再発を防ぐために重要です

  • 正確な照射で正常な脳組織への影響を最小限に抑えることが大切です

  • 治療中は頭痛や疲労感、皮膚の赤みなどの副作用に注意が必要です

  • 副作用が強い場合は、遠慮せず医療スタッフに相談しましょう

不安なことやわからないことがあれば、いつでも医療スタッフにご相談ください。



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