前立腺がんの治療で「放射線」と聞くと、不安や分からないことがたくさんあると思います。
そもそも前立腺ってどこにあるのかも分からないですよね。
「放射線治療の時にどんな準備をすればいいの?」と心配になるのは当然です。
この記事を読めば、前立腺がんの放射線治療がどんなものか、どんな注意点があるのか、わかりやすく知ることができます。
不安を少しでも減らして、安心して治療を受けられるようにサポートします。
結論から
前立腺がんの放射線治療では、毎回「蓄尿」や「排便・排ガス」といった準備をして治療を行うことが一般的です。
前立腺ってどこにあるの?
前立腺は、膀胱の下側、直腸の前側にある臓器です。
男性にある、精液を作るのに大切な役割を果たす臓器です。
蓄尿と排便とは?
前立腺がんの放射線治療では、治療の前に「膀胱に尿をためる(蓄尿)」や「排便・排ガス」をしておくことが多いです。
前述したように、前立腺は膀胱と直腸にとても近い位置にあります。
膀胱の尿の量や、直腸のガスや便によって、前立腺の位置が毎回少しずつ動くことになります。
体の中で前立腺の位置を一定にして、毎回正しい位置で前立腺を照射できるように、膀胱は蓄尿、直腸は排便・排ガスをしてもらいます。
これを「前処置」といいます。
膀胱をある程度ふくらませておくことで、膀胱への障害を低減します。
一方、直腸は毎回一定の便やガスの量をためることができないので、毎回排便や排ガスをしてもらいます。
蓄尿の注意点
毎回同じだけの量を膀胱にためられるか、自分では分かりにくいですよね。
「飲水〇〇ccで〇分間蓄尿」といった指示が出され、毎回同じくらいの量になるように調整する方法がよく用いられます。
また、治療直前に超音波やCTを使って、蓄尿の状態をさらに正確に確認することもあります。
放射線治療を続けていくと、尿意が近くなり、放射線治療の後半では尿をためることが難しくなる場合があります。
蓄尿が大変になってきた場合は我慢せず、無理せず早めにスタッフに教えてください。
排便・排ガスの注意点
自分ではガスがたまっていたり、便が残っているかどうか分かりにくいことがありますよね。
治療時にレントゲンやCTを撮影し、問題がないかを確認することもあります。
もしガスや便が残っている場合は、排便や排ガスをしてもらいますが、このときは蓄尿した状態での排便が難しいかもしれません。
トイレで尿も一緒に出てしまった場合は、再度蓄尿が必要になるため、治療開始までに時間がかかることがあります。
患者さんによってはガスがたまりやすい体質の方もいるので、その場合は医療スタッフにご相談ください。
また、炭酸飲料を控える、食事の際に空気を一緒に飲み込まないようにする、芋などガスがたまりやすい食べ物は控えるなど、日頃から気をつけることも大切です。
まとめ箇条書き
- 前立腺は膀胱の下、直腸の前にある臓器で、精液を作る役割がある
- 放射線治療では、毎回「蓄尿」「排便・排ガス」などの準備が必要
- 準備をすることで、前立腺の位置が安定し、正確に治療できる
- 膀胱や直腸への影響も少なくなり、より安全に治療ができる
これから放射線治療を受ける方も、ぜひ安心して準備に臨んでください。
分からないことや不安なことは、スタッフに相談してみてください。
コメント