「放射線治療の費用っていくらくらいかかるんだろう?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。毎回支払うのか、まとめて支払うのか、気になるポイントがたくさんありますよね。この記事を最後まで読めば、頭頸部がんの放射線治療にかかる費用の目安や支払いの仕組み、例外ケースまでしっかり理解でき、治療費への不安が少しでも解消されるはずです。
結論
頭頸部がんの放射線治療は、入院や外来で受ける両方のパターンがあります。標準的な治療回数(30~40回程度)の場合、合計で約100~140万円かかります。ただし、健康保険が適用されるため、実際にご自身が負担するのはこの一部です。さらに高額療養費制度を活用すれば、自己負担額をさらに抑えることができます。
頭頸部とは?
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、頭頸部(とうけいぶ)とは「脳と目を除いた、首から上の部分全体」を指します。具体的には、以下のような部位があります。
- 鼻腔・副鼻腔:鼻の内部や周囲の空洞
- 口腔:口の中全体
- 咽頭:鼻や口の奥から喉の奥にかけての管状部分
- 上咽頭(鼻の奥)
- 中咽頭(口の奥)
- 下咽頭(喉の奥、食道の手前)
- 喉頭:のどぼとけのある声を出す部分
- 唾液腺:唾液を作る部分(耳下腺・顎下腺・舌下腺など)
- 甲状腺:首の前にあるホルモンを作る内分泌器官

頭頸部がんの放射線治療における標準的な条件
頭頸部がんの放射線治療は、入院と外来の両方があります。治療回数は30~40回程度が一般的で、状況によっては回数やスケジュールが調整されることもあります。
標準的な支払いのタイミングと金額
- 外来の場合
- 多くの医療機関では、放射線治療の費用は「毎回の治療後」に支払うのが一般的です。
- 初回:治療計画や準備のため、費用が少し高くなります(目安:約9万円)。
- 2回目以降:通常の治療費用(目安:約3万円)。
- 標準的な回数(35回程度)の場合:合計で約100万円が目安です。
- 入院の場合
- 退院時に上記の費用を一括で支払うことが多いです。
- 注意点
- 病院によって治療内容や手技が異なるため、費用には若干の変動があります。

全額を自分で支払うの?
健康保険が適用されるため、上記の金額の一部(通常は3割負担、後期高齢者は1~2割負担)が自己負担となります。さらに高額療養費制度を利用すれば、自己負担額に上限が設けられるため、負担がさらに軽減されます。
- 強度変調放射線治療(IMRT)
- 通常の照射ではなく、より精密にがんに放射線を集中し、周辺の臓器(脊髄など)への影響を減らす方法です。最近ではこの方法が主流になりつつあります。
- 治療回数は標準的な方法と同じく35回程度です。
- 初回:約11万円
- 2回目以降:約4万円
- 35回治療の場合:合計約140万円
- 粒子線治療(陽子線・重粒子線)
- 保険適用となる場合と、先進医療扱いとなる場合があります。
- 保険適用の場合、頭頸部がんの陽子線治療費は約240万円、自己負担はその1~3割です。
- 先進医療扱いの場合、陽子線治療費は約300万円(全額自己負担)となることもあります。
まとめ(箇条書き)
- 治療費の目安:標準的な放射線治療で約100~140万円(保険適用により自己負担はその一部)。
- 支払い方法:外来は毎回、入院は退院時に一括が一般的。
- 高額療養費制度:自己負担額をさらに抑えられます。
- 例外:IMRTや粒子線治療では費用が異なります。
- 注意:金額はあくまで目安です。実際は病院や治療内容によって異なる場合がありますので、必ずご自身の治療計画でご確認ください。
ご質問やご相談がある場合は、受診予定の医療機関や主治医にご確認されることをおすすめします。

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